2012/11/06〜

うさぎ自動販売機鐘の音








(121106/平介←長谷)
 へいすけ、と呼ぶ声をいつも拾う。それから、なに、と返す気怠げな声を探してる。うさぎのようにぴんと耳を立てて、決して聞き漏らすことが無いように。
 何処からだろうと目を凝らすけれど、貴方の姿は捉えられなくて。
 寂しさで死ぬことは無いけれど、とても胸が苦しい。






(121107/平介←長谷)
 もっと早く気付いていたら、何か変わっていたのだろうか。
 手紙を出さずにいたのなら。いや、それでもきっと、私は出さずにはいられなかった。
 あの小さな封筒ひとつに、甘い香りをまた詰め込もう。嗚呼、本当に馬鹿みたい。
 これが恋ではなくなんだと言うの。
 あれは確かに、正真正銘の、






(121107/平介←長谷)
 自動販売機に小銭を入れて、ホットココアのボタンを押した。
 両手で包んだ紙コップに、ふう、と息を吹きかける。
 甘い香りに誘われて、貴方が振り返ってくれるように。






(121108/平介←長谷)
「あの先輩には色が無いよね」
 隣から聞こえた声に、先輩を追っていた視線を上げた。
 私の目には、こんなに色付いて見えるのに。何色にも彩られて見えるのに。ほら、こんなにも
「綺麗だわ」
「……あんたの目にはどう見えてるのかしらねぇ」
 だめ。先輩の色が見えるのは私だけでいいの。






(121108/平介←長谷)
 鐘が鳴るのよ。
 些細な仕草の一つ一つを、私は懲りずに目で追って。
 周りから見たら、これは不毛なのかしら。それでもいい。だってほら、また鐘が鳴るの。私にはもうどうしようもない。
 私は今日も、先輩に何度目かの恋をする。