2012/11/26〜

関係恐れ








(121126/梵鴇)
(白紙のもの、ねぇ)
 人の中に土足で踏み入っておきながら、こいつはいつか踵を返して、この世界に別れを告げてしまうのだろう。
 自分の目の前を通り過ぎていくだけの、小さな存在。
 の、筈だった。
(君だけに仕える、か)
 今となればこれは嘘だ。
 仕えるなんて甘い関係じゃ、物足りない。






(121126/梵鴇)
 一人にするつもりか、と。
 梵天の叫び声が突き刺さった。
「梵天」
「……なんだい、六合の」
 透き通った緑の瞳に気まずそうな色を浮かべた梵天の、隠された感情に自分は気付いている。お互いに手は伸ばさない。目の前にいる彼も、いつかふっと消えてしまうのではないかと。
 恐れているのはお互い様だ。