2012/11/04〜

日常笑顔心臓願い晩酌双眼鏡お互い様








(121104/サスダテ)
 もう少しだけ待ってくれ。
 隠し通せるものじゃあないし、隠しておく気も無いけれど、どうか少しだけ時間をください。
 いつものように、おつかれさま、とからかうように言う時間を。それから口付ける、ほんの数秒を。
 一瞬の日常をください。
「お疲れさま、竜の旦那」
 と、吐息の漏れない唇に。






(121104/転生佐助+政宗)
 汗をかいたグラスの氷が、小さく音を立てる。カランを小気味のいい音の間をすり抜ける世間話に、適当に相槌を打って溜息を零した。屈託なく笑うこいつの笑顔が、しくりしくりと胸に刺さる。
 これは一体誰だ。
 だって、俺の知っているこいつは、こんなに綺麗な顔で笑わなかった。






(121105/佐助→政宗)
 死んだ? 馬鹿なことを言うなよ。だってほら彼の顔はこんなにも艶やかで、いつもとなにひとつ変わらない。少し硬い髪だって、乱れてはいるが綺麗なままで、荒れた唇もいつも通りだ。
 大丈夫。そのうちきっと目を覚ます。ただ胸にある臓器がひとつ、動きを止めただけじゃあないか。






(121107/サスダテ)
「一つだけ願いを叶えてやるっつったら、何て願う」
 煙管をふかして戯言ひとつ。
「アンタが叶えてくれるの」
「もしもの話だぜ? 一つだけだ」
「じゃあさ」
 奪った煙管を、カコンと叩く。
「死んでよ」
 それ以外の俺の願いは、自分で叶えてみせるから。
 どうかこの願いだけは。






(121108/サスダテ)
「よう、アンタも飲んでいくか?」
「相伴に与ってもいい?」
「好きにしな。女でも呼べばよかったか、手酌じゃ色気もねぇ」
「いいんじゃない? 旦那が居たんじゃ女の色気も形無しだ」
「口説いてんのか?」
「そんなので落ちるあんたじゃないでしょ」
「わかってりゃいいさ」






(121125/サス→ダテ)
 遠いなぁ。
 溢してから、取り出したのは双眼鏡。折り畳み式のそれを慣れた手つきでパチリと開くと、今日もこの場所から覗き込む。
「Hey そこのお前! 見惚れてんなよ」
 ぱちりと双眼鏡越しに目が合うと、低い声が直接鼓膜を震わせた。
 肉眼では些か遠いが、双眼鏡で見るには近すぎた。






(121126/サスダテ)
「俺様じゃアンタには敵わないし、一対一ならこの首、落とされるのかね」
「俺にか? 馬鹿言うな」
「え?」
「死にてぇなら俺の目の届かない所で死ね」
「どうせならあんたの手にかかりたいんだけど」
「忍一人殺るのに態々出てくる大将がいるかよ」
「そりゃそうだけどさ。酷いなぁ」
「……お前こそな」