2012/11/08〜2012/11/19

邪魔甘やかすほんとだよ言わないで凶器さよなら寝言素敵な人おわり狡い大人








(121108/ナギとエース)
「隊長が邪魔なんだ」
「邪魔って……本気で言ってんのか?」
「まさか。本気で隊長が邪魔なら僕たちが消してる」
「って、お前ら一回隊長にねじ伏せられたんだろ?」
「僕たちが本気なら隊長は抵抗できないさ。それが僕たちの意思なら」
 あの人はそういう人だから。
 だから邪魔なんだ。






(121108/カヅナギ)
「紅茶飲むかい?」
「ん」
「珈琲の方がいい?」
「別に」
「クッキーあるけど?」
「ああ」
「紅茶、ミルクでいいよね?」
「……急にどうしたんだ」
「別に? 君のために何かしたいってだけだよ」
(……はっきり言うよな、こいつ)
 なんだかむず痒い。






(121108/クラA)
「……お前は一体どう思っているんだ」
「あんたのこと? それともこの関係のこと?」
「どちらもだ」
「さあね」
 なんだそれは、と溜息をこぼす。
「確かに僕は隊長が好きだけど……よくわからない」
 エースは言い澱むことなく告げる。
「だって僕は、躊躇うことなくあんたを殺せる」






(121108/クラA)
「好きだ」
 言わないでくれ。
「隊長」
 少年のよく通る声が鼓膜を揺らす。何度となく繰り返されたその言葉が、頭の中で反響していた。
「隊長?」
「もう」
「……なに?」
「いい加減にしてくれ」
 頼むからもう止めてくれ。お前の想いは、私なんかに注ぐべきではないのだから。






(121111/クラA)
(息が止まりそうだ)
 浅い呼吸が空気を揺らす。
(あんたに殺されるんじゃないのか)
 胸元で揺れるマントの金具を緩めても、口を覆われているような息苦しさはなくならない。
(それはごめんだ)
 こんなに鋭い感情があんたに向かっているというのに。
 鈍いあんたは気付きもしない。






(121114/クラA)
「隊長、別れてくれないか」
 息が止まった。
「なに、を」
 張り付いた喉から絞り出した声は、情けなく震え、掠れていた。錆び付いたように動かない首を無理矢理回して、やっとの思いで彼と向き合う。
「隊長、僕と別れて」
 幸せそうに弧を描いた唇で、なんて残酷な言葉をつむぐのか。






(121115/現代クラA)
「起きろ」
「……なに」
「イザナとは誰だ」
「先輩だけど?」
「何故そんなに嬉しそうに名を呼ぶ」
「そんなこと言われても」
「ナインやキングならまだわかる」
「ナインの夢見ればよかった?」
「そうじゃない。それなら私の夢を見ろ」
「それは魘されそうだ」
「減らず口」






(121115/クラ→A→?)
「隊長、僕は」
「言わなくて良い」
 解っているさと、クラサメはエースの唇に指を添えた。
「気付いていないとでも思ったか」
「え?」
「どれだけお前を見ていたと思っている」
 それくらい解る、と微笑んだ。
「……あんた、最高に良い男だ」
 その手を取れなくて、ごめん。






(121118/クラA)
「あと何日かな」
 唐突な問い。
「あと何週間、何ヶ月、何年。何時間、あと何分」
 どう思う?
「さあな」
 返されたのは素っ気無い言葉。
「嫌か」
「嫌、かな」
 きっと
「なら二人で待てばいい」
 こうやって
「うん、それもいい」
 終わりを待つのも、貴方となら怖くない。






(121119/クラA)
 すまないと、決して謝りはしない。
 謝罪の代わりに、只管愛を囁こう。私の言葉が心に居座り、内側から溶かしていく様を、私はじっと見ていよう。いつか、ぽっかりと開いた胸を。抱えるお前がいとおしい。
 狡い大人の打算的な愛し方。
 終わりが来ても来なくても、私が負けない賭けをしようか。